【生成AIの教科書⑥】ExcelとOffice — Copilotで事務作業を時短する
「VLOOKUPって、何回調べても忘れる…」「Excelの関数、苦手意識があって触りたくない」。会社で『AI活用よろしく』と任された人ほど、Excelやメールの事務作業に時間を奪われがちです。でも今は、Copilotにお願いするだけで、関数も集計もメールの下書きも、ぐっと速くなる時代です。この章では、今日からExcelとOfficeをAIに手伝ってもらう手順を、初心者目線でひとつずつ教えていきます。難しい話は抜きで、画面のどこを押すかまで丁寧にやります。
B列の売上を、A列の商品ごとに合計してC列に出して
提案する関数
=SUMIF(A:A, A2, B:B)
やっていること
A列の商品名ごとに、B列の売上を合計
結果(上から3行)
唐揚げ弁当: 128,400 円
幕の内弁当: 96,200 円
のり弁当: 74,800 円
まず結論
Copilotは、Excelの関数を日本語で頼めば書いてくれる事務の相棒です。①やりたいことを日本語で書く②返ってきた関数をセルに貼る③結果を確認する。この3手順で、VLOOKUPもピボットも怖くなくなります。WordやOutlookでも同じ流れ。慣れると、毎日30分くらい浮く感覚です。
5 つの視点で、ぜんぶ具体に。
知識 → 手順 → 道具 → 景色 → 次の一歩。読みたいところから。
そもそもCopilotって何?Excelとどう関係するの?
Copilotは、Microsoftが作ったAIのアシスタントです。Excelの中に住んでいて、関数や集計を日本語で頼めば代わりに考えてくれます。ChatGPTのOffice版、と思ってもらえば近いです。会社では有料のMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です。個人はMicrosoft 365に入れば使えます。
あるあるなのが「Copilotって、Windowsの右下に出てくるやつでしょ?」という誤解です。あれも仲間ですが、Excelの中で本領を発揮するのは「Microsoft 365 Copilot」のほうです。
例えるなら、新人さんを隣に座らせた感覚に近いです。「この表、商品コードで合計出して」とお願いすると、関数を書いて持ってきてくれる。間違ってたら、やり直してもらえる。そんな相棒です。
会社のExcelに「Copilot」というボタンが右上に見えていたら、もう使える状態です。無ければ、IT担当の方に「Microsoft 365 Copilotのライセンス、ありますか?」と聞いてみてください。
2026年4月から、無料版CopilotはExcelやWordの中では使えなくなりました。無料で雰囲気だけ試したい場合は、無料のCopilot(チャットアプリ)に表をコピペして関数を聞く方法があります。
図解
Excel・OfficeでAIが効く場所
AIは表そのものより、表を読む・説明する・式を考えるところが得意です。
- 01表を渡す列名とサンプルを見せる
- 02目的を言う集計、分類、説明を指定
- 03式を作る関数や手順を出してもらう
- 04人が検算元データと結果を照合する
ExcelでCopilotに関数を作ってもらう手順は?
①Excelを開き、表のどこかをクリック②右上の「Copilot」ボタンを押す③右に出てきたチャット欄に「B列の売上を、A列の商品ごとに合計してC列に出して」のように日本語で書く。これだけで関数が返ってきます。返事の中の「列の挿入」を押せば、表に入ります。VLOOKUPもSUMIFも、関数名を覚えなくて大丈夫なんです。
①まずExcelを開いて、対象の表のどこか1つのセルをクリックします。これでCopilotに「この表のことだよ」と伝わります。
②画面右上、リボンの一番右に「Copilot」というアイコンがあるので押します。右側にチャット画面が開きます。
③チャット欄に「B列の数字を、A列の項目ごとに合計してください」のように、やりたいことを日本語で書きます。専門用語は不要です。
返事の中に関数の式と「列の挿入」ボタンが出てきます。押すと、表の右に結果の列が追加されます(ボタン名は更新で多少変わることがあります)。結果を見て、合っていなければ「もう少し細かく分けて」と追加でお願いするだけ。
データの整理(重複・空白・並び替え)もお願いできる?
できます。「重複している行を見つけて」「金額の大きい順に並べて」「期限が近い行に色をつけて」と日本語でお願いするだけ。Copilotは関数や操作を提案して、その場で実行までしてくれます。ボタンの場所を覚える必要がないんです。表のどこかをクリックしてからお願いするのが、うまくいくコツです。
①整理したい表のどこかをクリックして、Copilotを開きます。表全体を指定しなくて大丈夫、Copilotが自分で範囲を広げて見てくれます。
②「A列で重複している行に印をつけて」「金額が空のセルを赤くして」のように、目的をそのまま書きます。「条件付き書式」という言葉を知らなくても大丈夫。
③返事には「適用」ボタンが付いてきます。押す前に、何が起きるかの説明文が出るので、ひと呼吸おいて確認してから押すのが安心です。
つまずきポイントは、表に空白行が混ざっているとCopilotが「表」と認識してくれないことです。空白行を消すか、表全体を選んでCtrl+T で「テーブル化」してからお願いすると、ぐっと当たりが良くなります。
図解
Excel相談のコピペ型
列名とやりたいことを渡すと、関数や手順が返ってきます。
- #表の列
- 日付、店舗名、商品名、売上、粗利。
- #やりたいこと
- 店舗別の月次売上を集計したい。
- #希望
- Excel関数とピボットの両方で教えて。
- #注意
- 初心者向けに、画面操作の順番で。
関数の意味がわからないとき、Copilotに聞ける?
聞けます。先輩から引き継いだExcelで「=INDEX(MATCH…」みたいな呪文みたいな式が出てきたら、その式をCopilotに貼って「この関数を、日本語で順番に教えて」と頼むだけ。1行ずつ何をしているか、新人さんに教える口調で説明してくれます。怖がらずに、コピペで聞いてみてください。
あるあるなのが、退職した先輩のExcelを引き継いだら、長い関数がぎっしり…というシーン。読み解くだけで半日溶けます。
①その式が入っているセルをクリックして、数式バーの中身を全部コピーします。②Copilotのチャットに貼って「この関数を、初心者にもわかるように1ステップずつ説明して」とお願いします。
返事は、まず「全体で何をしているか」、次に「INDEX関数の役割」「MATCH関数の役割」と、入れ子の中から順番にほぐして教えてくれます。
ついでに「もっとシンプルに書き直せる?」と聞くと、新しいXLOOKUP関数で書き直してくれることもあります。先輩の遺産が、自分でメンテできる式に変わる瞬間です。
読みかけの記事は、この下に続きます
Word・Outlook・Teamsでも、Copilotで何ができる?
Wordは下書き、Outlookはメール返信、Teamsは会議の要約が得意です。Wordは「白紙→Copilotに見出しを頼む」、Outlookは「返信→Copilotで下書き」、Teamsは「会議後の要約→AI Notes」。全部、画面に出ているCopilotのボタンを押すだけ。ひとつずつ慣れていけば、1週間で景色が変わります。
Word: 新規ファイルを開くと、最初に「Copilotで下書き」というボックスが出ます。「取引先への提案書、A4一枚、丁寧めの口調で」と書けば、たたき台ができあがります。0→1の苦しみが消えます。
Outlook: 受信メールを開いて「返信」を押すと、本文欄に「Copilotで下書き」ボタンが出ます。「お礼を伝えて、次回打ち合わせの候補日を3つ提案」のように箇条書きで指示するだけ。
Teams: 会議中に「録画」と「文字起こし」をオンにしておくと、終了後にAIが要約と決定事項を自動でまとめてくれます。議事録に2時間かかっていた仕事が、確認だけで済むようになります。(この要約は、CopilotまたはTeams Premiumというライセンスが会社に入っている場合に使えます)
つまずきポイントは、社内ポリシーで一部の機能が制限されていることです。ボタンが見当たらないときは、ひとりで悩まず、IT担当の方に「Copilotの○○、有効になってますか?」と聞くのが近道です。
毎月の集計やレポート作りを、自動化する型はある?
あります。①毎月使う表をテンプレ化②Copilotに「先月分を、商品別・店舗別の2軸で集計してグラフにして」と頼む型を保存③次月は中身だけ差し替える。この型を1回つくれば、毎月30分の集計が3分まで縮む、というのがよくあるペースです。「ピボットテーブル」を覚えなくても、日本語のお願いだけで同じ結果が出ます。
①まず、毎月同じ形で来るデータの表を「テーブル化」しておきます(Ctrl+T)。Copilotが構造を理解しやすくなります。
②Copilotに「この表を、月ごと・カテゴリごとの2軸で集計し、合計が多い順に並べて、棒グラフも作って」のようにお願いします。返事の式やグラフを「シートに追加」で挿入。
③成功したプロンプトをメモアプリ(NotionでもOK)に保存しておきます。次月は、新しいデータを貼り付けて、同じプロンプトをコピペするだけ。
例えるなら、毎月作るカレーのレシピを冷蔵庫に貼っておく感覚です。材料(データ)を入れ替えるだけで、同じ味の集計が出てくる。ここまで来ると、もう集計が「作業」じゃなくなります。
明日からの一歩は、何をすればいい?
おつかれさまでした。明日の一歩は、Excelの「Copilot」ボタンを1回押すだけ。今手元の表を開き、思いついた集計を日本語で頼んでみてください。それで感覚はつかめます。次の第7章では、画像・動画・音声を作るAIを、仕事でどう使うかをお見せします。更新はメルマガでお知らせします。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。Excelの怖さ、少しは溶けてきたでしょうか。
明日やってほしいことは、たった1つです。Copilotボタンを押して「この表で、何ができそう?」と聞いてみる。それだけで、Copilot側から提案が出てきます。
次の第7章は、生成AIの中でも一番ワクワクする「画像・動画・音声」の領域です。デザイン担当じゃない人でも、社内資料の挿絵やSNS用の動画が作れるようになります。
③ 道具
おすすめの商品
Excel 最強の教科書[完全版] 【2nd Edition】
Amazon で見る →Microsoft 365 Copilot活用大全
Amazon で見る →できるYouTuber式 Excel現場の教科書
Amazon で見る →
著者プロフィール

MANTA / 岩崎 正宏
映像とデザインで「伝わる」をカタチに。
中堅飲食グループの広報・マーケをしながら、UNLEASH TALENT で映像制作とデザインを手がけています。大事にしているのは「伝わるか」。見た目のこだわりも、AIを使った効率化も、ぜんぶ"伝える"ための道具です。YouTube(@MantaTV)、長福寺の次期住職、4歳の娘の父——いろんな顔で、現場で本当に効いたことだけを書いています。
